page 1 2 3 4 5 6 7


7 2006 東日本チャレンジカップ 第7戦  〜 最終章 〜



10th LAP

2位変わらず・・・



(写真:Tsuchy-san)


1周ごと、交互にトップを入れ替えてきたこの数周だったが、9周目、10周目と#19 中島選手のトップが続いた。
ネッツ・コーナーで応援しているまりぞーさんとT-FLATに、一瞬、不安がよぎる。
そういえば、今シーズン、初戦のツインリンク茂木を除いて全出席を果たしているまりぞーさんだが、若ちゃんが表彰台の真ん中に立ったのを見たことがないという。
僕やツッチーさんも、筑波選手権の最終戦での、赤旗再レースでの劇的な勝利を見ているだけで、エリア選手権になってからは、まだ優勝を見ていない。
もちろん、レベルの高いエリア選手権で、そう簡単に優勝できるものではないのだろうが、この富士SWでは1秒以内の僅差での2位というのが続いている。
惜しい、なんていう程度のものではない。
サーキットには魔物が住むというが(ホントか?)、この富士SWには、緑色をした魔物が住んでいるのかもしれない。
まだ差は小さいし、残り2周あるし、諦めてはいけない。
しかし、ついそんなことを考えてしまうような不安に駆られてしまう。
これも“呪縛”なのだろうか・・・





残り2周に逆転を期す





11th LAP

2位のまま現れたヘアピン・コーナー

(写真:Tsuchy-san)


残り2周となった11周目に入っても、1位:#19中島選手、2位:#74若ちゃんの順位が変わらぬまま、ヘアピンコーナーをクリアしていった。
2人の差は広がってはいないようだから、後ろについてタイヤ温存の作戦かもしれない。
しかし、そんなことは知る由もない僕らにとっては、早くトップに立って、そのまま振り切って独走態勢になってくれることを祈ってしまう。


(写真:Tsuchy-san)



(写真:Tsuchy-san)


ネッツコーナーでもまだ2位だ

ネッツコーナーに現れたときも、若ちゃんは2位だった。
簡単に勝つことはできない。
エリア選手権のレベルは、やはり相当高いものだ。
しかも、今シーズンの夏場以降、中島選手の調子がいいことは、観戦記の中で何度となく触れてきた。
若ちゃんもいいタイムで周回しているはずだが、#19中島選手もやはり速いのだ。
3位、4位の選手と相当差が開いていることは前述したが、この二人の速さはレース後の結果でも分かる。
中島選手のベストラップが9周目で、1'47.015のコースレコードとなった。一方で、3位以下のベストタイムが1分49秒台だから、差がつかないはずがない。

当然のごとく2人のマッチレースとなったこの決勝。
若ちゃんのベストタイム?それは・・・

7位争いも面白い




FINAL LAP

2位だ・・・

(写真:Tsuchy-san)



(写真:Tsuchy-san)

運命のファイナルラップ。
ヘアピンコーナーに、中島選手 - 若ちゃんの順で現れた。
決勝レースは、半周ほどしか残されていない。
このまま終わってしまうのか。
いや、まだ半周も残っているのだ。
最後の最後にコントロールラインをトップで通過すればよいのだ。
勝利のワンチャンスを虎視眈々と、冷静に狙っている。
そのための作戦は・・・


このヘアピンの立ち上がりのライン取りが勝負

(写真:Tsuchy-san)



緊張のあまり震える足を抑えながらネッツコーナーで待つ僕らの前に、赤いマシンが現れた。
来た〜っ!思わず叫ぶ。
ヘアピンで立ち上がり重視のラインを取り、ダンロップコーナーで仕掛けたらしい。若ちゃんのこの決勝でのベストラップ1'47.266を12周目でたたき出したのだ。
しかし、すぐ後ろには緑のマシンがついている。
もう声が出ない。手も震えている。
ネッツコーナーもうまく中島選手を押さえ込んで、コーナーを立ち上がって僕らの前に近づいてきた。
「ガンバレー」 という声にもならない声を上げた瞬間。
あ〜っ!!



再逆転!!




うまく押さえ込んだぞ!



このとき既に、カメラから目を離し、肉眼で追いかけていた。
赤と緑の2台のマシンが、コーナーを立ち上がって僕らの目の前に来たとき、
中島選手、やはりコーナーで多少の無理をしたのだろう。
痛恨のオーバーラン!
外側(僕らに近い方)の縁石に乗り上げ、わずかにふらついた。
ほんの一瞬の出来事であるが、これで決定的な差がついた。
ヤッター!
完全に舞い上がったまりぞーさんとT-FLAT。振り返りざま、メインストレートをトップで走る若ちゃんを見つけ、フェンスをバンバン叩き、「若ちゃ〜ん!」と大声で叫んでいた。


セーフティリードをとってメインストレートを若ちゃんが駆け抜けていった。
興奮して我を忘れていた僕らだが、ふと気がつくと、周囲から怪訝そうな視線が矢のように突き刺さっていた。
しかし、そんなことに構ってはいられない。おもむろにまりぞーさんが走り出す。
T-FLATもカメラバッグをつかんで後を追いかけ、まりぞーカーに乗り込み、メインスタンド前に連れて行ってもらった。
急に走り出したため、咳き込むまりぞーさん。声を出せず、あごだけで「T-FLAT、早く行け!」と指図をし、はじき出されたT-FLATはピットレーンに駆け込んだ。





Checkered Flag

(写真:Tsuchy-san)
Finish

(写真:Tsuchy-san)


お帰りー




(写真:Tsuchy-san)



(写真:Tsuchy-san)

ヘアピンコーナーにいたツッチーさんも、ダッシュでゴールラインに戻ってきたが、車で戻ってきたT-FLATとほぼ同時についたようだ。
しかし、この瞬間、若ちゃんやTakaさんたちチームのみんなが喜ぶ姿を写すことに夢中で、お互いの存在に気がついていなかった。
興奮して我を忘れるなんて、いつ以来のことだろう。
なんか、とても心地いいものなんだよな・・・




表彰台の真ん中に立つ。
若ちゃんの目標の場所であり、チームの皆さんが願っていた場所である。
その場所に立ったとき、そこに立ち会うことができた我々応援隊も、どんなに嬉しかったことか。
この感動。この感激。
応援に来れて本当によかった。



マシンをいたわる手が優しい



車検に行ってきまーす
死闘を演じたライバルにも、惜しみない拍手が送られた



レース後も忙しいのである




(写真:Tsuchy-san)

(写真:Tsuchy-san)

(写真:Tsuchy-san)

(写真:Tsuchy-san)


みんなみんな、とっても嬉しそうだった。同じ時間にいられて、ホントによかった。
待ちに待った、エリア選手権での優勝。
それはまさに、長いトンネルを抜けた瞬間だった。

バンザーイ

(集合写真の撮影日に欠席した子みたいですが・・・)


第8戦、そして最終の第9戦に欠席してしまったため、T-FLATのレース観戦記は、これでおしまいです。
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
すばらしいレースを見せてくれた若ちゃん。チームの結束力を見せてくれたTakaさん、Yuki-chanさん。自宅から応援していたKei-chanさん。
本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
また、サーキットでお会いした数多くの方々、またどこかでお会いできたら、ぜひ声を掛けてください。
みなさん、また会う日まで!



The end of the story

page 1 2 3 4 5 6 7





Copyright © 2006 H.Kawada All Rights Reserved