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上位3台が混戦のまま、レースは5周目に入った。
何度も執拗に5番の川原選手がインを伺ってくる。
その後ろで88番の津田選手が、虎視眈々とパスのチャンスを狙っている。
一瞬のブレーキングミスでも、見逃すことはないのだろう。
しかし、このまま周回している限り、そう簡単に抜けるものでもない。
追うものと追われるもの。
どちらのプレッシャーが、よりキツイのだろう。

川原選手が仕掛けてくる

(写真:Yukiopapa-san)



後続を押さえ込んで第1ヘアピンを通過する

(写真:Yukiopapa-san)






この頃、T-FLATはダンロップコーナーに移動してきている。
1周1分の短いサーキットであり、撮影ポイントの移動に余計な時間をかけられない。
自転車に飛び乗り、下り坂を加速。
ダンロップブリッジ脇へとまっしぐら。
あまりにも慌てていたので、ブレーキもかけずに飛び降りた。
ガチッ!
あー、レンズをハンドルにぶつけてしまった。
でも、ガシャン、じゃなくて良かった。(よかったのか?)
まあ、これぐらい気にしていては写真は撮れない。
すぐに撮影準備だ。


お昼休みに練習していたときよりも、さらに太陽が傾いて逆光がきつくなっている。
しかし、20Dは普通に撮れば上の写真のように、ほぼ適正な露出をはじき出してくれる。
ちょっとシルエットっぽく撮ろうとマイナス補正しても、路面は明るすぎ。そこを過ぎると、今度はかなりのアンダーとなってしまう。
これはこれでいい感じなのだが、こういうときの露出は難しい。







まるで海の上を走っているようだ



逆光の中を疾走


74番、5番、88番の先頭集団と、4位以下の間が開いてきた。
トップ争いはこの3台と見て間違いないだろう。
このまま最後までトップを維持してくれることを祈りながら、ダンロップコーナーからMCコーナーを通過していく若ちゃんを見送った。
そして、運命の6周目を迎えることになる。







(写真:Yukiopapa-san)


(写真:Yukiopapa-san)

6周目に入った。
これまでと同じように、5番、88番を従えてS字コーナーを抜け、第1ヘアピンをクリアしていった。
その差は広がるでもなく縮まるでもなく、デジャ・ヴューでも見ているかのように、全く同じような光景を残して過ぎていった。
そして・・・



ヘアピンコーナーを反対側から見たところ
ダンロップコーナーに差し掛かる



わずかに膨らんだか?




- 抜かれた! -

6周目のダンロップコーナー。
天才ライダー若ちゃんでも、ミスをすることがある。
コーナーに入るとき、わずかに膨らんでしまった。
その一瞬のチャンスを逃さず、5番の川原選手がインから
パスしていった。
それだけではない。
さらにその後ろにつけていた88番 津田選手までもがインを狙ってくる。
アブナイ!


少しでも隙を見せると、怒涛のように攻めかかってくる。
1000分の1秒の中で戦っているのだ。
わずかなブレーキングミスや、コーナリングのミスを捉えて逃がさない。
そういうことが、本能的に組み込まれているのだろうか。

しかし、ここは若ちゃん。意地で押さえ込んだ。
なんとか2位をキープして通過していった。
まだまだ序盤。
抜かれても抜き返すのみだ。



2位でMCコーナーを通過していった







(写真:Usakoh-san)


6周目を終えてコントロールラインを通過した時点では、若ちゃんは2位。
5番の川原選手を追いかけている。
ゼッケン88番 桜井ホンダの高校生ライダー 津田選手は、まだ若ちゃんの後ろを走っていた。
しかし、7周目に入って、第1ヘアピンの通過時には、若ちゃんは3位に後退していた。
詳しい様子が分からないのがもどかしい。


(写真:Yukiopapa-san)



(写真:Yukiopapa-san)





上位3台のマシンの中で順位が入れ替わったが、その差はわずかだ。
レースはようやく中盤に差し掛かるところ。
まだまだチャンスはたくさん残されている。
言わば先攻・後攻が入れ替わったようなもの。
一瞬でも隙を見せれば、再びトップに立つことも十分にありうるのだ。
先行する2台の後をつけながら、追い上げが続く。
負けるもんか。



今年最後の筑波は譲れない








(写真:Yukiopapa-san)


その後も周回が続くが、レースは膠着してきた。
トップがゼッケン5番、2位が88番、そして74番の若ちゃんが3位というオーダーは変わらない。
離されることもないが、なかなか差が縮まらない。
我慢の展開が続く。


(写真:Yukiopapa-san)


目の前で若ちゃんが抜かれるシーンを目撃したため、動揺を隠し切れないT-FLATであった。
しかし、撮影隊としての役割、観戦記の作者としての責任を忘れてはいけない。
今回は、2005年の筑波の最終戦。
他のライダーの熱い戦いも、ぜひ観戦記で紹介しようと思っていたのだ。
忠男レーシングのチームメイト ゼッケン43番の大羽選手の走りを追いかける。
でも、井上さんとみいちゃんの写真を撮るのを忘れてました・・・



本来はゼッケン23番なの?








(写真:Yukiopapa-san)

(写真:Usakoh-san)


その後も順位に変動がないまま周回が進む。
レースは終盤へと入っていった。



To be continued

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