page 1 2 3 4 5 6 7


忠男レーシングの大羽選手



若ちゃんは予選のタイムアタックを終えてしまったが、時間はまだ残っている。
最後の最後まで、1000分の1秒でも縮めようとして、ライダーたちは攻め続けている。
管理人ことT-FLATは、ダンロップコーナーにそのまま留まり、他の選手を追いかけた。
同じ忠男レーシングから、大羽選手が出場している。
丸山美由貴選手もタイムアタックを続けている。
予選の残り時間は、あと約2分。
もう1周か、ギリギリ2周できるだろうかというところ。
この場所はフェンスに比較的大きな穴があり、カメラを構えて十分に流し撮りできるスペースが確保できる。
ファインダーから色々な選手を覗いてみる。
激戦区のST600クラスを戦い抜く選手たちは、
みんなカッコイイネ!



土壇場で3位に食い込んだ津田選手



忠男レーシングの大羽選手。今大会、2台だけのYAMAHA YZF-R6だ。



大羽選手と丸山選手を追いかけながら、ブルーサンダー井上選手の姿を探す。
しかし、いっこうに現れない。
若ちゃんと同様に、もう上がってしまったのだろうか。
と、このときは思っていた。
しかし、転倒してしまい、すでにピットに引き上げた後であったことは前述のとおりである。
予選終了を知らせる放送が聞こえてきた。
15分間の予選ラウンドが、すべて終了した。


(写真:Yukiopapa-san)



丸山みゆき選手






パドックに引き上げようと、自転車にまたがって戻る途中、トンネルの手前でYuki-chanさんに出会った。
「みんな、ガレージに行っていますよ」
あれ?どこですれ違ったんだろう。見かけなかったと思うけど。
再びガレージに戻る道すがら、Yuki-chanさんから、 「井上君が転倒してしまって、病院に運ばれたんです」ということを聞いた。
え!!大丈夫なの?
「腰を痛めたらしくて、車椅子に乗っていました」
このときにようやく、井上選手がケガをしたことを知ったのだった。

ガレージに戻っても、やはり誰もいない。
一本道だから、すれ違えば気がつくはず。まだ、パドックの方にいるのだろう。
しばらくすると、自転車に乗ってキャプテンさんと若ちゃんがやってきた。
あれ、バイクは?
まだ向こうにあるようだ。
結局、パドックに向かった。
パドックで撮影隊の3人が合流。
決勝までには時間があるので、筑波サーキットのときは必ず行くレストランで、
写真をチェックしながらお昼ご飯。

いつものお店で、ボリュームたっぷりの昼食をとった。
今日は、3人ともカツカレー。
あー、おなかいっぱい。
しばし休憩した後、サーキットに戻る。
決勝までまだ時間があるので、撮影スポットの確認をしよう。
再びダンロップコーナーへ。




陽が少し傾いて、やや逆光となっている。
これは結構難しいな。
どうしよう。
シルエットで撮るのも悪くは無いか。
それとも、プラスに補正して、路面を完全に飛ばしてしまうか。
現在はGP125クラスの決勝が行われているので、素振りを兼ねて
露出のチェック。
チームキヤノンのEOS20Dは、全般的に明るく写しすぎる傾向にある。
幸男パパさんも、たいていは-1/3EVの補正をしている。
しかし、このような逆光時には、20Dの露出傾向がうまく合うため、
被写体が適正となりやすい。
プラス補正なしでも、路面を白く飛ばしてバイクに露出が合うのだ。
便利といえば便利だけど、ちょっと違和感もある。
補正無しでシルエット写真、というのが普通だと思うけど。


(写真:Usakoh-san)


EOS 20Dは逆光時の露出には強い。
F11 1/160 補正なし



絞り優先 F5.6 1/800 ±0
シャッタースピード優先 F11 1/160 +1/3EV


そしてシャッタースピードと絞りのチェック。同じ場所でも、シャッタースピードが違えば写真の印象も異なる。
気持ちに余裕のあるときは、冷静にシャッタースピードも意識できるのだけど、いざ本番となると慌ててしまう。
今日のところは、1/160秒のシャッタースピード優先で臨んでみるか。






ガレージの方を見ると、車椅子に乗った井上選手を発見した。
こういう時って、声を掛けにくい。
少し離れて、様子を見ていると、思ったよりも深刻ではないのかな。
しかし車椅子だし、軽い怪我な訳がない。
気丈にも陽気に振舞っている。その姿がかえって痛々しい・・・
でも、失礼して写真を撮らせてもらった。
話を聞いたら、午後の決勝には出る予定らしい。
こんな怪我を押して。
僕らには信じられない世界なのだと改めて思うのだ。

背中を向けているのは大羽さん。心配してるというよりイタズラしてる?



さて、パドックの方も準備を始める頃だろう。
そろそろ戻るとしよう。
ふと脇を見ると、すぐそこで、ポケバイに乗って練習している子どもがいた。
こうやって小さい頃からバイクに乗って練習して、大きくなったら若ちゃんや井上選手のようになることを目指しているのだろうか。


第1コーナーの外側を歩いて戻るのだが、左手に見えているフェンスの一部が、
20cm×30cmぐらいの大きさで切り取られている。
誰かが写真を撮るために開けたのだろう。
昨年10月の筑波ロードレース最終戦で、雨の中、ツッチーさんが陣取っていた
場所だ。
決勝では、ここで撮ってみようか。

2004年10月30日 筑波ロードレース選手権最終戦


パドックではKei-chanさんとTakaさんで準備作業を
行っている。
まもなく移動を開始する頃だろう。





現在、JSB1000クラスの決勝が行われている。
次がST600クラスの決勝。
整然と並べられたマシンを見ていると、応援する側も緊張感が高まってくる。
しかし、単なる応援団ではなく、撮影隊としての使命も担っているため、ただドキドキしているわけにもいかない。
決勝レースにおける撮影場所を相談し、なるべく重複を避けた配置をめざす。
戦略会議の結果、うさ公さんと幸男パパさんは、最初はパドック上に陣取り、スタート前のグリッド上にいるところ、そしてスタート直後までを狙う。
T-FLATは先ほど目をつけていた1コーナーの出口に行くことにした。
いたるところでカメラが狙っているので、コースを走る若ちゃんは、一瞬たりとも気を抜くことができないはずだ。
もちろん、気を抜いて走るなんてことは不可能なのだが。



(写真:Usakoh-san)

(写真:Usakoh-san)


レース観戦はいつも緊張と興奮に包まれるのだが、中でも、これから決勝が始まるこの時間。
嵐の前の静けさともいうべきこの時間が、もっとも緊張する。
実際に走るライダーの緊張感とは比較にならないだろうが、応援する側も胸が苦しくなるような緊張に襲われるのだ。




落ち着きなくあたりをキョロキョロと見回していると、ふと目に留まった自転車。
なんと、KOYAMAXのステッカーではないか。
さすが、こういうレースを見に来る人の中には通(つう)がいるものだ。
と感心していたら、キャプテンさんの自転車だった。
なるほど。
さすがですねえ。

そういえば、最近のレース観戦記では、まったくレースクイーンが出てこない。
富士SWには、いないからなあ。
ツインリンク茂木にはいるはずだけど、メインスタンド前でスタート前とか
表彰式とか見たことないんだよなあ。
しかし、筑波には一応RQがいる。
久しぶりに見かけたので、せっかくなので写真を撮ってみた。
世の中には、こっちがメインで観戦に来る人もいるだろう。
たまには、この観戦記にも華を添えてみようか。




(写真:Yukiopapa-san)

時刻は14:00をまわった。
そろそろ撮影隊も各自の持ち場に着くことにしよう。
T-FLATはパドックを離れ、ガレージ方面へ向かった。
そして14:20。
JSB1000の決勝が終わり、コースでは表彰式の準備が行われている。
それと同時に、ST600の選手がピットロードへと移動を開始した。
いよいよ決勝が始まる。



決勝スタートまで、あと10分

(写真:Usakoh-san)




To be continued

page 1 2 3 4 5 6 7




Copyright © 2005 H.Kawada All Rights Reserved