2004 筑波ロードレース選手権 シリーズ第6戦 spectator

page 1 2 3 4 5 6


まったく、世の中と言うのは、予想もできないことが起こるものだ。

圧勝と思われたレースが中止となり、完全に仕切り直しになるとは。

すでに約20分が経過している。

この間、撮影隊も2班に分かれたままだ。

僕らの方は、人がたくさんいるところなので、あちこちの様子も分かるし、トイレに行ったり、タバコを吸ったり。

比較的時間の潰しようがある。

しかし、ツッチーリーダーは、誰もいないところでずっと待っていたのだ。

いや、後から一人、誰かが来たようだが、写真のために切り取られたフェンスの穴は一つだけ。

その穴を取られてはいけない。

かえって身動き取れなくなってしまった。

しかも、人の動きも分からないし、放送も聞こえにくい。

「今、どうなってんの?」

と言うことが分からないまま20分も待つ忍耐。

嗚呼!

すいませんでした。

でも、おかげでいい写真がたくさん撮られています。

ありがたく活用させていただきます。

1週した後にスターティンググリッドに並ぶことになる



ピットレーンから続々とバイクがコースに出て行った。

1週した後に、スターティンググリッドにつき、本日2回目のスタートに向けて準備を行う。

スタートまで後1分。

各チームクルーは、ライダーに最後の激励を交わして、
それぞれのピットに戻っていった。

そしてフォーメーションラップのスタート。

2位以下の選手を引き連れてFormation Lap

そういえば、ゼッケン5番が見えない。

先ほどの中止となった決勝レースで転倒した選手がゼッケン5番の選手だったのだろうか。

ということは、この時点で若ちゃんの年間チャンピオンは決定していたことになる。

つまり、無理しなくてもよいのである。

ということを知らない撮影隊は、緊張のままスタートの瞬間を待った。

いよいよ、決勝レース 第2ラウンド

START!



やや出遅れたか?

ゼッケン20番の選手がいいスタートを切ったようだ。

そのままの順位を保って、第1コーナーに飛び込んでいった。



スタート後、最初のコーナーとは言え、100km/h以上のスピードは出ているはず。

こんな密集の中を接触せずに走るだけでも大変なことだ。

わずかに、ゼッケン20番の選手が前に出たままだろうか。

1コーナーは取られたかな。

さっきのレースもそうだったし、ホームに戻ってくるときには1位になっているよ、きっと。

・・・と書いているが、パドック上からは1コーナーの激闘は見えないのだ。

これらの写真があるから分かることなのであって、実際には、僕らに見えるところに現れたときは既にトップに立っていたのでした。

20分の中断にもかかわらず、中継場所を確保してくださったツッチーリーダーに、改めて感謝いたします。






もはや、完全にトップになった。

あと40秒ほどで、再びホームストレートに帰ってくるはずだ。


ある意味、予想通りというべきか。

当然のようにトップで帰ってきて、あっという間に駆け抜けていく。

ピントなんか合わせられないよ、この速さじゃ。


第1コーナーでは、ツッチーさんが待ち受けている。

若ちゃんを先頭に、2位がゼッケン13番、3位がゼッケン20番だ。

後続のバイクのゼッケン番号が読めるような読めないような、絶好のブレ具合。


今までの観戦記では見ることができなかった「左側面」

もはや独走態勢を確立してきた。


第1コーナーでは、ツッチーさんの撮影が進行しているが、パドック居残り組みはホームストレートの撮影を切り上げ、次のスポットに向かった。

次のスポットは、タイヤブース横。

そう。そこは、有刺鉄線がお腹にチクチク刺さるところだ。

しかし、そんなことは気にしていられない。

パイプに足をかけて、フェンスの上から若ちゃんを追う。

だが、ここがまた、コースに近い!

まさに目の前を通っていくという感じ。

近すぎて、望遠レンズじゃとても追えない。

天気が悪く暗いので、単焦点レンズを装備しているため、ズーミングで引くこともできない。
タイヤブース横の撮影スポット



さて、これは何でしょう? トホホ・・・
レンズ交換すればいいのだが、雨が降っているので、傘を持ちながら、カメラを持ちながら、バッグを持ちながら・・・という状況なので、簡単ではない。

しかも、パイプに乗っかっているため足場も悪い。

1分後には若ちゃんが戻ってくるのだ。

そんな呑気なことはしてられない。

度胸を決めて、300mm(デジカメなので480mm相当)の望遠のまま、無謀にも追い続ける。

結果は・・・もちろん、全滅!

そりゃ、そうだ。



だって、こんな近さだよ。

「おおお、来た来た」

と思ったときには通り過ぎている。

1枚ぐらい、まぐれ当たりがあるかと期待したのだけど、そんなに甘いものではない。

ちゃんと、撮る距離にあったレンズを使いましょう、ということですね。


望遠レンズは、やはり遠くを望みながら撮るものだ。

ヘアピンコーナーに眼を向けよう。


第1ヘアピンに飛び込む若ちゃんが見える。

雨は降り続いているが、あまり減速しているようではない。

水しぶきを上げて、コーナーを通過していく。

「速いですね」

「・・・」

ん?

うさ公さんが暗いぞ。どうかしました?

二日酔いだろうか?とは決して思っていません、ハイ。
猛スピードで第1ヘアピンに飛び込んでいく

再び、第1コーナーへ。

やっぱり、2元中継は、いい!

第1コーナー   右ひざが地面を擦るか擦らないかのギリギリだ


快調に周回を重ねていく。

もはや、2番手以下が写真に現れてこない。まさに、独走。
第1ヘアピン    左ひざも地面を擦るか擦らないかのギリギリだ

はあ・・・。

このとき、たぶん10周目。半分は終わったはずだ。

この撮影場所まで走ってきたせいか、レースで興奮しているせいか、心臓がドキドキしている。

きっと、必ず、優勝するはず。大丈夫。

よし、あと半分だ!


つづく・・・

page 1 2 3 4 5 6

次は本当に最終回(泣)。 11/21の深夜、更新予定!


Copyright © 2004 H.Kawada All Rights Reserved