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6 第4戦 富士スピードウェイ   〜 決勝-2 〜



オープニングラップのうちにトップを奪い返すことができるだろうか。
フェンスに取り付き、直線に帰ってくる姿を待った。
1.5kmの長いメインストレート。
ここでは、最高速度は250km/hを超えているだろう。
最終コーナーを立ち上がったときには、1km以上の距離があるため非常に小さくしか見えないが、すぐに近づいてきて、あっという間に通り過ぎていく。

最終コーナーの立ち上がり


先頭は#19中島選手、2位に#64の古畑選手。
若ちゃんは3位でメインスタンド前を通過していった。
人間の目でさえも追いかけるのに精一杯なぐらいであるから、カメラのオートフォーカスで追従できる速さではない。
ピンぼけ連発だ。
マニュアルフォーカスでいこうにも、置きピン一発狙いは、向かってくる被写体にはあまりにもリスキー。
まともな写真が撮れないまま、3周が過ぎてしまった。
早めに見切りをつけることも必要なのだ。
ホームストレートに未練が残るものの、ここで切り上げてヘアピンコーナーに向かった。









第1コーナー

(写真:Tsuchy-san)


3周目終了時 #74の若ちゃん3位

ツッチーさんは、落ち着いて第1コーナーで撮影を続け、その後、コカ・コーラコーナーに移動した。
徐々に若ちゃんのペースが上がってきたようだ。
2位を走っていた#64古畑選手にかなり迫っている。パスしていくのも時間の問題だろう。


(写真:Tsuchy-san)








(写真:Tsuchy-san)

この頃、T-FLATは自転車を飛ばしてヘアピンコーナーに移動している。
4周目に入って現れたとき、若ちゃんは#64古畑選手をパスして2位に浮上している。
さすが若ちゃん。




決勝前の下調べでは、コースまでの距離は遠いが、ここからのアングルも捨て難い、と思いやってきたのだが、やっぱり遠い。
小さくしか写らないとトリミングすることになるが、元ファイルがよほど綺麗に取れていないと画像が甘くなる。
自転車を一所懸命こいだ後であり、息は荒いし、手が震える。
ここからじゃうまくは撮れないか。
下調べが不十分だったなあ・・・
後悔先に立たずだが、思い立ったが吉日。
再び移動を開始。






(写真:Tsuchy-san)


レースは中盤。
1位を走行中の#19中島選手との差は、なかなか縮まらない。
残りの周回数は十分にあるとはいえ、ペースが上がらない理由でもあるかと不安になってくる。
僕のような素人では、走ってる姿や音などを聞いただけでは、調子がいいのか悪いのかなんてまったく分からない。
とりあえず、勝利を信じて祈るのみだ。
この間、T-FLATは自転車をこいで移動中。
下り坂だし、一所懸命漕いでいるのだけれど、2周ほどはレースが進んでしまう。
撮影ポイントに着いたときに、ちょうど若ちゃんが通り過ぎた後だと、結構ショックが大きい。

ゼブラ斉藤選手
TRICK★STAR 医王田選手

もちろん、その場合はその場合で、次なる被写体を狙うわけだ。
最近は撮っておきたい選手が多いので、カメラから目を離せる時間が少ない。
レースを知れば知るほど、お知り合いになるライダーが増えれば増えるほど、観戦の楽しみが増えてきます。
それに、みんなカッコイイですよね、真剣勝負をしている姿が。






(写真:Tsuchy-san)



(写真:Tsuchy-san)

いよいよ、レースも終盤戦に入ってきた。
若ちゃんのペースも上がってきたようだ。
#19中島選手との差が、あっという間に詰まってきた。
予選では1秒近いタイム差をつけていたのだ。
本調子が出てくれば、抜き返すことは十分可能なのだ。
あとは、残り周回数を計算して、どこで仕掛けるか。







中島選手に何かミスがあったのか、それとも若ちゃんがものすごいタイムを出したのか。
#74の若ちゃんと#19中島選手の差は、もうすでにほとんどない。
一時たりとも目をそらせない。
1箇所にとどまることのできない落ち着きのないT-FLATであるが、さすがに、もうここからは移動している場合じゃない。
いま僕がいるのは、予選のときと同じダンロップコーナー。


(写真:Marizoh-san)

決勝レースの周回数も残り少ない。ここで最後まで見届けよう。
レースはクライマックスを迎えた。
そして、11周目。





ついに首位奪還

(写真:Tsuchy-san)

トップで迎えたヘアピンコーナー

(写真:Tsuchy-san)


ついに中島選手をかわした。
今日の決勝レースで、初めてトップに立った。
序盤での差を考えると、ものすごい追い上げだ。
残りあと2周。
いけー。このままいってくれー。
予選のタイム差から言っても大丈夫なはず。
ところが・・・




(写真:Tsuchy-san)

(写真:Tsuchy-san)






2位でヘアピンコーナーに現れた

(写真:Tsuchy-san)
ヘアピンを過ぎてダンロップコーナーへ向かう

(写真:Tsuchy-san)

ファイナルラップに入った。
しかし、ヘアピンコーナーで待ち構えるツッチーさんの前に現れたときは、再び逆転されていた。
残りは、半周。
抜き返すことができるだろうか。




To be continued

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