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4 2006 東日本チャレンジカップ 第1戦  〜 決勝1 〜


GP125のレースが終わり、ふと我に返ったT-FLATは、決して忘れていたわけではない本業に戻るべく、速やかにパドックに向かった。
車を外の駐車場に停め、メインストレートを横断する地下通路をとおっていくのだが、これが結構な長さがある。
筑波サーキットにも同じような通路があるが、距離が全然違う。
茂木はやっぱり大きいな、とこういうところでも実感する。
17番ピットに帰ってくると、みんな集まっていた。
スタート前チェックは13:30から。
まだ時間もあるためか、リラックスムードだ。




バイク好きの井戸端会議

(写真:Yukiopapa-san)
何を見てるの?
おもちゃを買ったよ〜!
83.3℃


13:30まであと数分。
若ちゃんはレーシングスーツに着替えて現れた。
このあと、車検場での走行前チェックが行われる。
今年最初のレースの決勝戦に向けて、いよいよ動き出した。
準備は万端に整っているので、いまさら慌てることはない。
若ちゃんも余裕の表情だ。
東日本チャレンジカップへの挑戦も、今年は2年目。
今年こそ、シリーズチャンピオン獲得に向けた年となる。
しかし、そんな気負いは微塵も感じさせず、いつもどおりの若ちゃんがそこにいる。


直前インタビュー


いつもと変わらない気さくさであり、レースの過酷さを感じさせないものがある。
しかし、レーシングスーツに残された無数の傷は、レースがいかに危険と隣り合わせの中で行われているかということを物語っている。


さあ、もうそろそろ移動しましょうか。
ピットの中からバイクを運び出し、車検場へと向かう。
和やかな雰囲気は変わらない。
しかし、少しずつだが緊張感が高まってくる・・・。
撮影隊も、なにか落ち着かなくなってくる。







そういえば、このチェックが終われば、またピットに戻ってくるんだった。
なんとなく、このままコースに行ってしまうようなつもりになっていた。
撮影隊(というかT-FLAT)は、ちょっと勘違いしてました
久しぶりのレースで、流れを忘れてしまっている?












去年の8月の茂木で、この走行前チェックのときに、車検場の中を思いっきり写真を撮っていたら、係りの人に怒られた。
「撮影禁止と書いてあるだろっ!」
それでもめげずにコソコソと撮影していたが、いい大人として、こういうルール違反はしちゃいけないし、何かの迷惑がかかってもいけない。
したがって、今回はおとなしく外で待っているのだった。



チェックが終わり、17番ピットに若ちゃんやチームの、皆さん、74番のマシン、そして僕らも戻ってきた。
いよいよ決勝開始の時刻が近づいてきた。
各ピットにいるライダーもヘルメットをかぶり、出陣の準備を整えている。










決勝開始の時刻が近づいてくると、先ほどまでの和やかな雰囲気から、ピリピリした空気に変わってくる。
これからのレースに向けて、イメージトレーニングをしているのか、精神集中を図っているのか。
若ちゃんは、じっと静かに座っている。
その背中からは、オーラのようなものが感じられる。
昨年の東日本チャレンジカップ第5位の実績。
今年は優勝候補の最有力選手ともなれば、もっている雰囲気と言うのはおのずから違っていると言うものだろう。
この時間。
ピリピリした緊張感が撮影隊にも伝わってきて、ドキドキした気持ちになってくる。
あー、この感じ。やけに喉が渇くこの感じ。
撮影隊としては、邪魔にならないように注意しながらも、同じ場所にいられるということの喜びを感じている。

あ!そうだ。
トイレ行っておこう。
いつも、緊張して、レース開始直前にトイレに行きたくなるんだった。
それと、タバコタバコ。今のうちに吸っておかなきゃ。
そう。T-FLATは喫煙者ですよ。だいぶ前から。
今年の夏からまた値上げだったなあ。タバコ税、増税反対!
健康のためにはタバコはやめたほうがいいのは分かっているけど、それで止められるぐらいなら、とっくにやめているよな。
こればっかりは仕方ないのだ。
あれ?何の話だっけ。






まもなく時刻は14時になる。
Takaさんと一言交わして、ピットレーンに出て行った。
決勝がまもなく始まる。
撮影隊は、これより少し前に、決勝レースにおけるそれぞれの持ち場に向かって出発していた。
撮影隊による三元中継を行う体制も着々と整えている。





撮影隊3名の戦闘配置は次回に説明するとして、管理人はパドックに残ることになっている。
S字コーナーや、ヘアピンカーブなど、茂木における撮影スポットはピットからの距離が遠く、事前に撮影場所に移動しなくてはならない。
そのため、これまで茂木では、決勝レース開始直前の風景が撮られていないのだ。
そこで今回は、茂木では初めての決勝直前レポートをT-FALTがお伝えします。
さて、そのためにはコースに入らなくてはならないが、勝手に入ると当然に怒られてつまみ出されるため、午前中にツッチーさんが借りていたピットクルーの腕章を、今度はT-FLATがお借りすることとなった。
「PIT SIGNMAN」
と書かれたブルーの腕章をつけて、ちょっとした優越感に浸りながらコース上に出向いていった。





ピットを出て、コースを1周し、それぞれのスターティンググリッドにバイクたちが戻ってきた。
決勝が始まるという緊張感が、さらに高まってくる。




レースは、ライダーの実力ももちろん必要だが、サポートする周りの力があってその実力を発揮できるものでもある。
こういったチームワークが大切なのだ。
ところで、若ちゃんの向こうに見える2台のグリーンのマシンはKAWSAKI ZX-6RRだ。
今年からTRICK★STARとなったブルーサンダー井上選手と同じチームであり、後輩ということになる。
TRICK★STARが放った刺客といったところだろうか。
今年も油断のならないシーズンとなりそうだ。

決勝レースは、若ちゃんはセカンドローからのスタートだ。
スターティンググリッドに着くと、Takaさんがスタンドにセットし、タイヤウォーマーをセットにとりかかる。
ライダーである若ちゃんもバイクを降りて、Yuki-chanさんとともに作業を行う。
実に手馴れたものである。
Takaさん、Yuki-chanさんがピットクルーとして手伝っているので速やかに終わるのだが、なかには、ライダーだけで参加している選手もいる。
一人で全部やるとなると、そりゃもう大変だ。



準備OK!





選手紹介
声援に手を上げて応える



選手紹介の放送が聞こえてきた。
予選第1位 ゼッケン番号88番 津田選手、第2位 ゼッケン番号5番・・・
各選手が紹介されるたびに拍手が起こる。そして・・・
「予選第5位 ゼッケン74番 若松選手」と紹介されると・・・
 の掛け声。
これこれ。待ってました。
若ちゃんの幅広いファン層が、こういうところでも分かるね。

選手紹介も終わり、いよいよ決戦のときが近づいてきた。
若ちゃんの顔にも緊張の色が・・・いや、そうでもないな。
さすがに、落ち着いたものだ。
スタート前のグリッドに立ったのが初めてのT-FLATだが、興奮覚めやらぬうちに、退去の指令が下った。
「ピットクルーの方々は、コースから退場してください・・・」








勝利のサインは、いつも“V”



コースからピットに向かって、小走りに帰ってくる。
ふと振り返ると、まさにフォーメーションラップに出ようとするところだった。
思わず足を止めて写真を撮り、ガンバレ!と心の中で応援していると、
「そこっ。早く出なさい」
と怒られた。
ありゃ、すいません。

さあ、僕も戦闘配置に就こう。
まもなく決勝のスタートだ。



To be continued

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