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5 2006 東日本チャレンジカップ 第3戦  〜 予選-3 〜



予選3位の好成績

(写真:Yukiopapa-san)


最後のアタックで2位に浮上した#19中島選手

(写真:Tsuchy-san)


里山の春、といった情景だ

(写真:usakou-san)

予選の時間は15分。
今日はウェットコンディションであるため、1周につき1分50秒程度のラップとなっている。
したがって、約9周できることになるが、実際には7、8周といったところだろう。
残り時間は5分もない。あと1周か2周だろうか。


若ちゃんが上位にいるであろうことは疑いない。
しかし、僕らの関心は、ポールポジションをとったかどうか、というところにある。
1位であったのか、それとも少し押さえた走りをして2位あるいは3位あたりだったのだろうか。
ここからでは順位の状況が分からない。
気になりながら撮影を続けていたが、予選の時間が終了した。

ガレージに戻ると、すでに若ちゃんも戻っていた。
話を聞くと、予選は3位とのことだった。
ずっと2位のタイムであったが、あえて無理をしてトップを狙わず、2番手の確保で我慢の走りをしていたようだ。


(写真:Tsuchy-san)


当たり前のようで当たり前じゃないらしい

しかし、最後のアタックで#19中島選手がタイムを詰めてきた。
「このコースコンディションで無理するとは思わなかった」
というのがTakaさんの印象だったが、結果としては2番手に#19中島選手が上がり、若ちゃんは予選3位となった。
もっとも、タイム差はごくわずかだし、フロントローは確保している。
まるで問題なく優勝が狙えるポジションにある。
安心したところで、いったん休憩するためにレストハウスに向かうことにした。
その途中、ふと脇を見ると、ガソリンスタンドの看板が目に入った。
ガソリンはガソリンスタンドで販売?不思議な看板だ。





今朝、サーキットについて、二日酔いのカラダに暖かいコーヒーを!と思ったのだが、レストハウスは10:30AMオープンだった。
そのため、今日はまだコーヒーを飲んでいなかったが、今は11:00AM。もうお店も開いている。
券売機でチケットを買うのだが、紙コップに入ったコーヒーが300円。割高感を感じるものの、とりあえず飲みたいから受入れやむなし。

予選1位 #37医王田選手




予選2位 #19中島選手




予選3位 #74若松選手と予選5位 #3小島選手

(写真:Yukiopapa-san)

と、文句を言いながらも、ずずずーっとすする。
はあーっ。あったまるー。
コーヒーを飲みながら、カメラの背面の液晶で撮った写真のチェックを行う。
ここで、予選の結果についておさらいしよう。

1位 #37医王田選手 (1’47.686)
(TRICK☆STAR MAX)

ここまで2戦を終えてランキング2位の好成績。
5/13の全日本選手権第3戦(筑波)に来られていて、ドライバーズサロンでお会いしました。
うちのチビが「さっき走ってた人でしょっ!」と青雷さんと間違えていたけど、もちろん違います。
今日のエリアの選手の中では、ただ一人47秒台にいれてきた。

2位 #19中島選手 (1’48.438)
(TRICK☆STAR MAX)

昨日のフリー走行で好調さをアピール。若ちゃんも一目置いていた。
予選の最後でタイムをあげて2位に上がった。

3位 #74若松選手 (1’48.617)
(SP忠男&YSP三鷹)

ご存知、我々が応援する天才ライダー若ちゃん。
2位の中島選手とは0.18秒の僅差。
今日は表彰台はかたいし、その真ん中の可能性も高く、期待は高まる一方だ。

4位 #23木村選手 (1’49.078)
(racing ridesport)

ノーマークでした。写真がありません。
こういうとき、頼りになるのはやはりうさ公さん。
これまでも幾度となく「偶然」を撮ってきた。
今回も、唯一のゼッケン23番写真だ。

5位 #3小島選手 (1’49.711)
(チームFriends)

コンスタントにポイントを重ねて、現在ランキング9位につけている。
ヘルメットを脱ぐと、意外とライダーは若かった。

もちろんウソです。
たぶんお子さんでしょう。小島選手は36歳。





レストハウスから外を見やると、雨は上がったようだ。
路面はまだ濡れているが、少しずつ乾いてくるだろうか。
こういうときのタイヤチョイスは難しい。
すると、視界の端から白いモクモクしたものが流れてきた。
ん?煙?いや、霧だ。
おー、すっげえ。霧ですよキリ。
と、はしゃいでいたら、あっという間に視界が遮られた。
このときはまだ、この霧が何時間も続くとは思ってもみなかった。
休憩を終え、パドックに向かってみる。
スタンドが霞んで見えるし、メインストレートの始点にあるダンロップブリッジも、今は完全に霧に覆われて姿が見えない。


前日にははっきり見えていたダンロップブリッジも・・・

(写真:usakou-san)
今は霧のかなたに隠されてしまった・・・

(写真:usakou-san)


駐車場も白く霞んでいる

(写真:Yukiopapa-san)


霧にまぎれてTeam Canon Jr. の勧誘を行うT-FLAT

(写真:Yukiopapa-san)



他のチームも暗いムードだ

(写真:usakou-san)

こういうときはどうなるんでしょうね。
「とりあえず、霧が晴れるまでは決勝のスタートを遅らせると思います。」
場内アナウンスで、他のクラスの決勝開始が遅れることが流れてきた。
風は吹いているので、もう少ししたら霧もなくなるだろうと思っていたのだが、次から次へと新しい霧が運ばれてくるようだ。
このまま霧が晴れなかったらどうなるのだろう・・・
ガレージに戻ってきた応援隊も、いつもの脳天気さは影をひそめ、みな心配顔になっている。
予選の順位のままで順位が確定するのか?
レースが不成立ということで、ゼロポイントになるのか?
東日本チャレンジカップのシリーズチャンピオンを狙うには、ここでポイントを稼いでおきたいのだ。
なんとか決勝を行ってほしい。
霧に包まれたサーキットを見つめては、ただ溜息をつくばかりであった。


(写真:usakou-san)




タイムスケジュールが大幅にずれてきたため、ST600クラスはエリア選手権とSUGO選手権の混走となることが決まった。
合わせて約30台の出走となるため、見ごたえがありそうだ。
コースコンディションが違うとは言え、混走での決勝におけるポールポジションは、SUGO選手権の選手となった。
予選トップとなった選手は、#47 水戸 哲也選手(TEAM OVER LAP)。




エリアの選手であることを示す赤い腕章



#21 伊藤選手が通過するのをカメラも構えず見送る3人

(写真:usakou-san)
それにしても、よく撮ってましたね、うさ公さん

(写真:usakou-san)


#47水戸選手は、SUGO選手権の第1戦で優勝しており、今日の予選タイムも1’45.740と、SUGO選手権の2位(総合7位)の#21伊藤選手と5秒近くの差をつけている。
力はあるのだろう。油断は禁物である。
しかし、本当に油断ならないのは、うさ公さんかもしれない。
うさ公さんは、この観戦記のために、何度となく貴重な「スクープ写真」を提供してきてくれた。
みんなが見過ごしてしまうような写真や、あとで観戦記を書くときに「ああ、こんな写真があったらなあ・・・」というような写真を撮っているのだ。
今回の観戦記でも、この47番や21番の写真があるとないとでは大きく違う。
まさにGolden Pepper賞ものだ。
それも、本人が意識していたのかどうか分からないところがすごい。
だがしかし、単なる偶然で片付けていいのだろうか。
先を読む洞察力がすごいのか、実は緻密にリサーチしていたのか。
それとも、動物的な野生の勘が働くのか。
それとも・・・(原稿から削除しました)






霧は薄くなったり濃くなったりを繰り返している。
ときどきペースカーが出て走り去っていく。
コースの状況を確認しているようだ。
少し霧が晴れた気がしていたが、実際にコースを走っている車を見ると、いかに霧が濃いかが分かる。

さらに時間は過ぎていくが、一向に晴れる気配がない。
新しいタイムスケジュールとしてスタート開始時刻が決められており、この時間に始められなければ中止となる。
ST600の前に行われる予定であったクラスは、すでに中止が決定している。
あせっても仕方がないのだが、落ち着かない。
風が吹くたびに、霧を吹き飛ばしてくれー、っと祈るのだが、流れることは流れても、なかなか晴れない。
時間が迫ってくるが、状況に大きな変化はなかった。
いや、少し明るくなってきたか?
そして、放送がかかって各選手に待機が命じられた。
ピットレーンに一度出て、それぞれのガレージ前で再びマシンを停める。

これ、なあに?
ペースカーでした。日産スカイライン


晴れないなぁ・・・

(写真:Yukiopapa-san)



(写真:Tsuchy-san)

(写真:Tsuchy-san)


#37 医王田選手
#19 中島選手



若ちゃんたちはもちろんのこと、上位の成績の可能性が高いTRICK☆STARの二人も、レースが行われることを祈っているだろう。
しかし、自然の力の前には、なすすべなく立ち尽くすことしかできなかった。
この頃には、雨はすっかり上がって、路面も乾き始めている。
「このぐらいであれば、まだレインタイヤで大丈夫です。」

タイヤの変更はないとのことだったが、開始時刻がわからない中で、路面状況の変化もありうる。
念のため、ドライタイヤの準備も行っていた。









(写真:T-FLAT)


今日は全国的に雨の予報だったが、この地域は雨雲が避けていったようである。
場内放送で、雨が降った方が霧は晴れると言っていたが、こういうときに限って雨が降らない。
なんとなく重苦しい空気が流れる中、沈滞したムードを打破しようとした大会主催者が、ついに奥の手を出した。
そう。レースクイーンの登場だ。
2006年、新しく選ばれたレースクイーンのうち2名がピットレーンに現れた。
「どうぞ一緒に写真をお撮りくださいっ!」
大サービスのつもりだろう。
しかし、はっきり言ってそんな気分ではない。
と言いながら我々も見に行ったが、あまり盛り上がらない。
感想としては「この寒いのにお腹が冷えそう・・・」
今度は、RQが各チームのガレージを廻るから、記念写真を撮れという。
しかし、各チームともやっぱりそんな気分ではない。
我々のところに来たときも、若ちゃんやTakaさんは、コース路面のチェック中。
ライダー不在の中で記念撮影が行われた。


(写真:Tsuchy-san)



まさに、それどころではなくなったのだ。
決勝スタートの予定時刻はすでに過ぎている。
予想以上に時間がかかっているため、霧は晴れないものの、路面がかなり乾いてきている。
「リアだけドライにしよう」
慌しく、タイヤ交換の作業が始まった。
霧は晴れないが、決勝が行われる可能性はまだゼロではない。
いつスタートとなってもいいように、準備は怠り無く行っておく必要があるのだ。
大会主催者側も、参加台数が多いST600クラスは、なんとしても実施したいだろう。
ギリギリまで粘っているようだ。
しかし、この状況では・・・

ピットの中が急に慌しくなった

すると突然、霧が薄くなってきた。さっきまで見えなかったダンロップブリッジも見えてきた。
これまで何度もドラマが起きてきた、このロードレース観戦記。
ここでもまた、奇跡が起きるのか。
僕らの期待が大きく膨らんだその瞬間、アナウンスが流れた。

「ST600クラスの決勝は、中止とします」
え?
第4コーナー以降の霧が深く、レースを行うのは危険と判断されたようだ。
表彰台は確実であったであろうこのレース、中止の判断は言葉にならないほど残念だ。
もちろん、僕らよりも、若ちゃんやTakaさん、Yuki-chanの悔しさは言うまでも無いだろう。
TRICK☆STARの選手やスタッフも、今大会で調子が良かっただけに悔しそうで、
中止が決定した後も、片付ける気になれないようだった。

TRICK ☆ STARのチームも無念さを隠しきれない



ガックリと肩を落とすツッチーさん
幸男くんとの駆けっこで疲れているだけかも?








(写真:T-FLAT)

大会中止のショックから立ち直ると、せっかくの機会だからということで、幸男くんが74番のマシンに乗らせてもらうことになった。
ハンドルのグリップまで手が届かなかったが、時速200km以上で走れるバイクにまたがった気分は、きっと最高だったに違いない。
幸男くんが「レースをやりたい」と言い出したら、どうします?


(写真:Yukiopapa-san)


次回は6月10日の富士SPEEDWAY。
決戦の場は、次戦に持ち越された。若ちゃんの強さ、速さを、富士で見せつけてやるんだ。
また応援に行きます。。

みなさん、お疲れさまでした

(写真:Taka-san)






The end of the story

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