page 1 2 3 4 5



全日本ロードレース選手権は、全国のサーキットを舞台に争われる国内最高峰のオートバイ・ロードレースシリーズである。

ロードレースとは、オートバイが登場したばかりの20世紀初頭に、公道(ロード)で競われ(レース)たのが、その発祥である。

その後、オートバイの進化と共に、安全性が高く、より高度な走りが可能なサーキットが建設され、1949年よりロードレース世界選手権シリーズが開催されている。

国内では1961年に財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が設立され、1962年に全日本ロードレースを初開催、1967年よりシリーズ戦となり、現在に至っている。

2005年シーズンは4月3日の山口県MINEサーキットを皮切りに、10月30日のツインリンクもてぎまで、全国のサーキットを舞台に激戦が繰り広げられる。


撮影スポットにはすでに先客がいっぱい(合成パノラマ)

我々「大手町一眼レフ友の会」が応援する「天才ライダー若ちゃん」こと、若松選手は、今回の筑波と最終戦のもてぎ戦に参戦する予定である。

全日本選手権でトップクラスにいれば、そのまま世界でも通用する選手と言える。

それだけ選手層も厚く、ハイレベルな展開が期待されるのだ。

それだけではなく、観客の数も、普段のレースとは比べ物にならないくらい多い。

我々「大手町一眼レフ友の会」も、今回は通常の応援団&観戦に専念しようかと思っていた。

と言っても、カメラは持っていくし、サーキットに着くと、やはり写真を撮りたくなる。

この混んでいる中でも写真撮れるかなぁ、といつもの第1ヘアピンの場所に行ってみると、予選だというのにすでにいい場所は押さえられていた。

それに報道関係者も多数来ているようだ。



女性の記者も多かった。
で、こういう風にレンズを持つものなの?

今日は本当に邪魔しないように、ちょっと遠くから。

パドックも、いつもよりさらに緊張感がある。

他の選手や、ピットクルー、サプライヤー、観客などでごった返しているので、邪魔にならないよう気をつけなくては。






すごい人ごみだ

(写真:Tsuchy-san)
ST600クラスは、全日本選手権においても激戦区。

予選はA組、B組に分かれて行われる。

それぞれ2回行われ、ベストタイムを競う。

普段とは違う人の多さに戸惑っているうちに、予選の1回目が始まる時間が近づいてきた。


我々が応援する若ちゃんは、「東日本チャレンジカップ」では、常に上位にいる。

そのため、僕らの関心も「ポールポジションを取るかどうか」であって、予選通過は所与のものとなっている。

しかし、そこはさすがに全日本選手権。

59秒台でラップを刻む選手も少なくない。


(写真:Usakoh-san)


予選と言えども、気を抜くことはできないのだ。緊張の中、全日本選手権のレースが始まった。

管理人とうさ公さんは、そのままパドックの上に残り、ツッチーさんは第1コーナーに向かった。

全日本選手権は、レース好きのみならずカメラ好きも多数集まっているので、撮影のための場所とりが熾烈であることは前述のとおりである。

ところが、なんと!

Takaさん曰く「第1コーナーとダンロップコーナーに場所を押さえてあります」

こんなに甘えてしまっていいのでしょうか?と思いながらも、素直にお言葉に甘えるのであった。


(写真:Usakoh-san)



パドック上も混雑はしているが、カメラをはさむ隙間がないほどではない。早速、撮影に専念しよう・・・

今回、若ちゃんのマシンは「ゼッケン53番」

つい「●4番」に反応したり、「5●番」が来たときに一瞬の躊躇があったり。

ゼッケン番号が違うだけで、いつもとは違う雰囲気となってしまうものだ。


メイン・ストレートを疾走する若ちゃん

Photo Gallery No.1

Photo Gallery No.2

若ちゃんは、ST600クラスのB組である。

先に行われたA組1回目の予選では、トップのタイムが58秒台をマークしており、コースレコードを更新していた。

2位以下も、59秒台を出している選手が、かなりいるようだ。

やはりハイレベルなんだなあ、と感心しながらB組のスタートを待っていたのだ。

ところが、B組の予選が始まって10分も経たないうちに、

「コースレコードが出ましたぁっ!」

というアナウンスが。

それも、4人もだ。

「こりゃホントすごい戦いだなあ。」

などと、ますます呑気に感心したりしてしまう。

「若ちゃんはどうなんだろう・・・」

状況が分からないため、もどかしさがつのる。

ベストを尽くしてくれることを祈って、応援しよう。


Photo Gallery No.3
予選A組1回目で転倒してしまったSP忠男の大崎選手

A組の1回目の予選で、同じSP忠男の大崎選手が転倒するアクシデントがあった。(それでも59秒台を出した後だが)

このクラスのタイムを出すには、どうしても無理をしなくてはいけないのかもしれない。

いいタイムを出すことは、いつも危険と隣り合わせであるということが、あらためて感じられるのだ。



第1コーナーをフェンスの上から写せるとは!

(写真:Tsuchy-san)



(写真:Tsuchy-san)
パドックの上から、次の場所に移動することとした。

その間、つっちーさんは、チームの皆さんが用意してくれた「TEAM DESTINY」脚立を使って、第1コーナーの撮影に専念していた。

コレに乗れば、フェンスの上からコースを見渡せる。

目の前を選手が通過していくのだ。

地面を擦る膝あての音が間近に聞こえる。

すごい迫力だ。

ということが後で分かったので、2回目の予選ではここに来ようと思った管理人であった。


さて、僕が向かった場所は、最終コーナーの立ち上がり。ピットレーンへの入り口付近である。

この場所から、パドック内の通路を横切って反対側に行くと、そこから第1ヘアピンを見ることができる。

コースの前半の見所と、後半の見所を、簡単に行き来できるのだ。

しかもフェンスで遮られていないので、邪魔も少ない。

意外と、穴場と言えるかもしれない。目視なら・・・

というのも、最終コーナーを抜けて、ホームストレートに入るところは、かなりの高速なのである。

しかも、フェンスの影から突然現れるのだ。

そして、あっという間に消えてしまう。

見つけてからカメラを構える間に、通り過ぎてしまう。

「こりゃ、ちょっと無理かな」

腕時計を見て、60秒経過。そろそろ来るはず。

若ちゃんが現れた。

が、どんどん、こっちに近づいてくる。

お、お、お・・・

反対側は第1ヘアピン

(写真:Usakoh-san)

近すぎてファインダーからはみ出てしまった。


ちょうど、ピットレーンに入ってくるところだったのだ。

ズームとは言え望遠系のレンズなので、あまり近くに被写体があると、これ以上引きようがない。

いや、そんなことはどうでもいい。

調整が合わないのか。

そんな不安がよぎる。

心配げに見つめるTakaさん


(写真:Usakoh-san)



マシンの状態について相談

(写真:Usakoh-san)


どうやら問題なさそうだ


(写真:Usakoh-san)


ピットレーンをあとにしてコースに戻る

(写真:Usakoh-san)

幸い、大きな問題ではなかったようだ。調整を済ませてコースに戻っていった。

しかしながら、そんな状況を知らずに待っている管理人には困った問題が待っていた。

1周1分で戻ってくるので、時計を見ながらカメラを構えているのである。

いつコースに戻ったか分からないと、どこから1分を取ればいいのか・・・



「やっぱり無理だ。ここは諦めよう。」

そして反対側に向かい、第1ヘアピンを狙いに行った。

今回、大変な人ごみが予想されたことから、「のぼる君」を持ち歩くことは危険と判断し、車の中に留守番をさせてきた。

そのため、フェンスの上から見ることはできず、フェンス越しに追いかけることとした。

Photo Gallery No.5


他の選手もハイレベル。予選から接戦が続く。



第1ヘアピンを通過

Photo Gallery No.6
バックストレッチから最終コーナーへ

Photo Gallery No.4


1ヘアからダンロップコーナーへ






振り向けば、バックストレッチの姿も見ることができる。

何周か、ここでねばった後、先ほどの場所に戻った。

もう、時間が分かっているので、あと何秒後に現れるか見当がつく。

あと5秒、4,3,2,1・・・あれ?

ファインダーに現れたのは他の選手。

通り過ぎていたのか?いや、そんなハズはない。

どうしたのだろう・・・


To be continued page 1 2 3 4 5


Copyright © 2005 H.Kawada All Rights Reserved