2005年9月17日 中秋の名月

風邪をひいて薬を飲んで一日中寝ていたら、夜はすっかり目が冴えた。
喉はまだ痛いけど、熱はかなり下がった。基本的に体が頑丈にできてしまっているらしい。
気分転換に外を眺めたら月が綺麗で、あ!今日は満月かな?と。




夜中に外を見たら月が綺麗で、せっかくだから写真を撮っておこうかとベランダに三脚を持ち出した。
本当であれば、レンズの三脚座を三脚にセットし、カメラボディを一脚で支えて4点支持としたいところだったが、一脚は車の中。
パジャマのままで駐車場にいけないし、着替えるのも面倒なので、多少のブレは目をつぶることにした。(だって病人だもん)
もちろん、レリーズは必須。もっと言えば、ミラーアップが望ましいが、ここでも目をつぶった。(面倒なだけじゃん)
それでも意外とブレさせない方法として、意外かも知れないがレンズに手をかけて上から押さえつけるのだ。もちろん軽く。
シャッター時のミラーショックは、これでかなり防げる。


EOS20D+EF300mm F4.0 L IS + 2x Extender F8.0 Auto(1/2000) -2/3EV (ISO800)


上の写真はトリミングしており、実際に写る大きさは下の程度。
銀塩写真の頃、月や太陽の大きさは、フィルム上に「焦点距離÷100」ミリの大きさで写ると習いましたね?(どこで?)
300mmのレンズに2倍のテレコンをつければ600mm相当なので、フィルム上に6mmの大きさで写ります。800mmなら8mmですね。
デジカメでも同じ話なので(アタリマエですが)、CMOS上に6mmで写るわけです。
20Dの撮像画面サイズは22.5mm×15.0mm。ここにどのくらいの大きさで写るのかというと、下の写真がノー・トリミングの状態。


EF100-400mm F4.5-5.6 L IS + 2x Extender
F11 Auto(1/1000) -2/3EV (ISO800)

EF300mm F4.0 L IS + 2x Extender
F8.0 Auto(1/1250) 補正なし (ISO800)


普通、このような明暗のコントラストの激しい写真はマニュアル露出で撮るのが鉄則です。
しかし、暗いベランダでダイアルをごそごそといぢるのは、かなり面倒です。そこでオートに頼りたくなるわけですが、通常の「評価測光」を使うと当然に超「露出オーバー」になってしまいます。(この理屈分かりますか?)

念のため説明すると、すぐ上の写真のように画面上には圧倒的に「黒」が多いため、カメラは
「とっても暗い」と「評価」するのです。
したがって、途方もないくらい明るくしてくれます。マイナス2段の補正でも効かないくらいに。
なので、せめて部分測光(あればスポット測光に)セットしておきます。
しかし、これも中々タイヘンで。ど真ん中に月を捉えるのは意外と難しいのです。真ん中を外すと露出も外れます。この時、月はただの白いマル。
雲台のたわみも計算しながら、丁寧にセットしましょう。ただし、このぐらい長いレンズを使うと、
時間とともにどんどんズレていき、地球が回っていることが実感できます。

白いマルです

手早く中央に誘導し、露出のブラケットをして数枚撮っておいて後で選択しましょう。
なお、20Dクラスの中級機ではF8で既にAFが効かないのでMFになります。
夜は見難いし、無理な体勢になっていることが多いので、できればアングルファインダーが欲しいところです。持っていませんが。




いずれにせよ、こんな風に難しく考えて月を見てたら、ロマンティックもなにもあったもんぢゃないです。
彼氏、彼女とのデートなどで「月が綺麗ね(綺麗だね)」というとき、「F8で1/1250ぐらいかな・・・」などとは、くれぐれも考えないように。
普通じゃないですから。やっぱり。
それと、風邪をひいている人、風邪をひきそうな人は、月なんか見てないで早く寝ましょう!

ところで、今日が十五夜であってる?

あ、やっぱり違うんだ。
ということで、9月18日の晩に、再びお月見です。

2005.9.18 11:55PM頃  本当の中秋の名月

EOS20D+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS + 2x Extender  F11 Auto(1/200) -1/3EV (ISO200)


昨日とは異なり、ちょっとまじめに準備して撮りました。ボディは一脚で支えています。(レンズはもちろん三脚にセット)
一脚も使うと、ブレないことよりも、画面中央へ月を誘導するのに便利です。部分測光だし。
拡大するとノイズが目立ったので、ISOも200まで下げました。カスタムファンクション(CF12)でミラーアップもして撮っています。
その結果、向かって右側のクレーターのあたりが、かなりはっきり分かるようになりました。
でも、すっかり、天文写真だね。ちょっとムードがないかなあ・・・








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