「白糸の滝」と名のつく滝は数多けれど、富士の白糸の滝がもっとも有名ではないでしょうか。
何と言っても、「日本の滝100選」で、第1位に選ばれた名瀑です。
有名な観光地となっているので、いっぱいお土産屋さんがあります。 |
太閤立志伝(光栄のゲームソフトね)では、木下藤吉郎秀吉が、信長の命令をこなしながら全国を回って、経験値をあげて出世していくのですが、歩いている最中にその地域の名物が静止画として画面の端に出てくるのですね。
それで、駿河の国を通るときは、名物として白糸の滝が表示されます。
といっても、こんなゲームをしたことがあるのは、少ないでしょうね。まあ、有名だということを説明したいのだけなので。
東名高速を富士インターで降り、そのまま西富士道路に乗って北上していくと、案内表示が出てきます。
分かりやすい案内なので、簡単に辿り着くことができるでしょう
花より団子。滝よりソフトクリーム。帰りに食べましょう |
駐車場完備。1日1回 500円なり。ただし、買い物すればタダ。しっかりしてるわ、と思うけれど、こんなところで駐禁で捕まっても面白くないので、受け入れやむなし、とつぶやきながら支払いを済ませます。
よく整備された道の脇にはお土産店や軽食の店が立ち並んでいます。子供にとって滝なんかどうでもいいので、カラフルなソフトクリームに誘惑されます。しかし・・・
教訓。「ソフトクリームは先に食べさせない。」
ここは、白糸の滝までは下りで、帰りが登りになります。
帰り道に、ソフトクリームというインセンティブを残しておかないと、自分で歩いてくれない可能性が高くなります。
特に、滝で写真を撮っている間、お父さんは満喫してても、たぶん子供はふてくされているでしょう。
食べ終わったソフトクリームへの感謝は既になく、「早く帰ろ〜よ〜」となっているはず。
「我慢しなさい」なんて、怒ったりして親子の絆にひびが入りかけたとしても、帰り道の最後にソフトクリームを食べて終われば
「おいしいね〜」なんつって・・・。
終わりよければ全て良し。楽しみは後にとっておくべし。後悔先に立たず・・・
最初に見えてくるのは「音止めの滝」
この名前の由来は、鎌倉時代にさかのぼり、曽我兄弟が工藤祐経へのあだ討ちの密談をしていたとき、滝の音がうるさいので声が聞こえない。そこで神に念じたところ、一瞬だけ音が止まった、ということによるものだそうです。
そもそも、そんなうるさいところで話をするなよ、とか、あんまり静かだと密談の内容がばれるぢゃないか、とか、そういう突っ込みはしないのが通というものです。
音止めの滝の上流。 流れは速そう。 |
滝壺の方に降りることはできないので、展望台から見下ろすことしかできません。 天気が良いと虹が見えます。 しかし、いったいどこで密談をしたのだ? |
この日は前日が雨だったということもあり、水量は多め。
水しぶきに虹が架かり、なかなか綺麗です。
そのまま通り過ぎていくと、白糸の滝へ降りていく階段が現れます。
階段を下りていくと、遠くに白糸の滝が見えてきます。
階段の右手は壁面ですが、あちこちから水が湧き出ています。
そして、小さな虹があちこちにできています。
そのまま階段を降りきって、橋を渡るともうすぐ滝壺になります。
アーチ状になった壁面から、無数の滝が流れ落ちる、まさに「白糸」。
その姿は白糸の名にふさわしく、幾筋もの絹糸をさらしているようです。優しく、女性的な美しさで、滝壺近くに立つと、三方が水のアーチとなって幻想的な世界を見せてくれます。 |
この滝は、富士山の雪解け水が、水を通す地層と水を通さない地層(新富士火山層と古富士火山層)の境の絶壁から湧き出すことで形成されています。
高さは20m足らずで、豪快さはないけれど、幅200mにも及ぶ大小数百の滝は、絶景です。
さすが日本の滝100選の第1位。
さすが国の名勝。
さすが国の天然記念物。
離れたところにまで水しぶきが飛んできます。
夏は気持ちいいんだろうなあ、と思いながら写真を撮るのですが、油断してるとレンズが水滴だらけということも。
ふてくされの図 |
しかし、ソフトクリームというインセンティブを既に行使してしまった我が家のチビに、もはや階段を上る気力はない。
いつものように、カメラバッグと三脚とチビを抱えて階段を上っていくのでした。
次こそは、教訓を忘れないようにしようっと。
「ソフトクリームは先に食べさせない。」
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