たとえば、キヤノンのEOS kissシリーズには、スターティングキットとして、EF28-90mm F4-5.6 II、EF90-300mm F4.5-5.6 クラスのレンズがついている。(正確には、ついているのではなく、セットでお安く購入できる)
これって、たぶんプロの写真家は使わないレンズ。ハイアマチュアと呼ばれる謎のランクの人たちも、写りが悪いといって敬遠することが多い。
確かに、F値が暗い。エンプラボディは安っぽい。フルタイムマニュアルフォーカスができない。
安いだけの理由はある。
記念写真なら、これで十分。 new EOS kiss+EF28-80mm |
天気の良い日中であれば、この程度の発色は得られる。 new EOS kiss+EF75-300mm |
でも、一目見て明らかに劣る写りなのか。直ちに買い換えたくなるほど、致命的な欠陥があるのか。
僕はそう思わない。
拡大すると、かなりのブレ(手ぶれ+被写体ぶれ)が見られる。三脚を使っても、被写体ぶれまでは防げない。 new EOS kiss+EF75-300mm |
Lサイズのプリントが前提の人には、十分な描写が得られる。コンパクトで持ち運びしやすいし、人ごみでぶつけられても、あまり腹が立たないから、精神衛生上もよろしい。
ディズニーランドのような人ごみに行くには、ちょうどいいレンズだと思うのです。
別に、コンテストに応募する写真をそこで撮るわけぢゃあないでしょう。
確かにF値が暗いから、夜の写真では苦労します。開放でもF5.6では早いシャッターは切れない。
三脚を使えば手ブレを防げるけれど、踊り続けるミッキーに「写真撮るから止まって!」とは言えないので、被写体ブレがおきる。
それならと、逆に考える。どうせぶれるのだ。重い荷物になる三脚など持って行かない。
そうすれば、一眼レフボディとW-ZOOMレンズだけの軽装にできるではないか。
パレードでは、連れの頭の上にカメラを乗せて写すと、写しやすいし手ブレも防げて快適です。 (くれぐれも知らない人の頭を使わないように) new EOS kiss+EF75-300mm |
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「肩乗せ」でかなりブレはなくなっている。もちろん拡大すれば目立つが・・・ new EOS kiss+EF75-300mm |
・ISO400や800の高感度フィルムを使用する。
・同行者の肩や頭を借りて、カメラを固定する。(注意:知らない人の頭の上に、いきなりカメラを乗せないでください)
・「ハイ。ポーズ!」な瞬間を狙って、被写体ブレを避ける
解像度やボケだって、そこそこではある。安いからといって、そんなに描写が悪いわけではない。 EOS55+EF75-300mm |
ちょっとした気遣いで、撮影の幅は広がると思うのです。
今現在は、このW-ZOOMセットで購入したレンズは、2本とも手元にない。
望遠は開放F値の明るいレンズに買い換えているし、標準はSIGMAのF2.8レンズを経て、純正のEF24-85に落ち着いています。
なんだかんだ言っても、やっぱり買い換えているのだが、いろいろと事情があるのですよ。
4-5年は現役として働いてくれたレンズだし、風景写真でも、十分な写りをしていたのだ。
所詮、趣味のものだから好きなレンズを買えばいいのだけど、高きゃいいってものではない。
と、自分に言い聞かせて、物欲を抑えている面もないとは言えないけどね・・・